Nanzan Univ.

理工学部システム数理学科

Department of Systems and Mathematical Science

システム数理学科トップ鈴木教授 日本OR学会 業績賞 受賞!

 ■鈴木教授 日本OR学会 業績賞 受賞!

南山大学理工学部システム数理学科 鈴木敦夫教授 が「日本オペレーションズ・リサーチ学会 第21回業績賞」を受賞し、 表彰式が2020年4月27日にオンラインで開催された日本オペレーションズ・リサーチ学会2020年度通常総会に先立って行われました。 鈴木教授には賞状と記念のメダルが授与されました。

この賞は、オペレーションズ・リサーチ(略してOR)の研究・教育・実施等に関わる活動に顕著な業績を挙げた個人に対して贈られるものです。

表彰式で述べられた授賞理由は、以下のとおりです。

鈴木氏は施設配置問題の研究で顕著な業績をあげている。
まず,計算幾何学分野の研究については,ボロノイ図の性質の探求や作図方法の提案など多くの成果を残してきた。 さらにボロノイ図を用いた施設配置計画問題の解法に取り組んだ。 目的関数が凸関数でない場合に効率よく最適な施設配置地点を見つける問題に関して,ボロノイ図を用いて平面・ネットワーク・3次元空間・球面など様々な場合に効率的に最適配置の解を得る方法を提案した。 これらの研究成果は多くの研究論文で引用されている。 そのほか,対象地域に複数の施設を配置するp-center問題や,被覆問題についても新しい解法を提案してきた。
近年では実務におけるスケジューリング問題に精力的に取り組んでいる。 鈴木氏は病院や企業の管理部門で直面しているスケジューリングの問題に対して,スケジュール作成の担当者の知識や経験をスムーズに取り入れられるようなシステムを作成してきた。 実用性の高いスケジュールを作成するだけでなく作成手法の標準化に取り組み,スケジュー リング学会の学会賞(技術賞)を受賞するなど,優れた理論的成果も上げている。 鈴木氏の研究は,いずれも,既存の手法にとらわれず独創的なアイディアと単純な手法を効果的に組み合わせて問題解決を図り,さらに現場での運用までを見届ける,というアプローチがなされており,研究結果は分かりやすく実用性が高い。
OR普及に関する活動として,2000年より南山大学で「都市のORワークショップ」を開催している。 このワークショップは,ORによる都市問題解決への貢献のみならず若手研究者の育成にも大きな役割を果たし,筑波大学で始まった「都市のOR」研究部会が、のちに中央大学や筑波大学で都市のORをテーマとしたセミナーやワークショップが開かれるようになる端緒となったものである。 2012年には都市のOR分野の国際シンポジウムInternational Symposium on Locational Decisionsを日本(名古屋・京都)で開催し,関連する研究分野及び実務の国際交流に大いに貢献した。
賞状とメダル ORの実施に関しては,鈴木氏はこれまで行政,小売業や製造業の企業,病院などとORによるさまざまな問題解決に携わってきた。ホームセンターとの共同研究では,店舗立地など施設配置問題に加えて在庫管理や顧客情報分析による売り上げ向上施策の提案を行っている。 企業の課題解決のみならず,OR手法の普及にも熱心に取り組み,企業が自らORの視点で問題解決する力を養うように指導してきた。 2005年には学園組織(南山学園)の問題解決プロジェクト「ORを用いた業務改善」のメンバーとして,INFORMSの大会においてフランツ・エデルマン・ファイナリスト賞を受賞している。
以上のように,鈴木敦夫氏が研究・普及・実施を通じて本学会に大きく貢献している点を評価した。

右の写真は受賞した賞状とメダルです。

(2020/5/9掲示)

webmaster@ss.nanzan-u.ac.jp